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iPhone Xのレビュー:ノッチのバグや太陽光の下でのFace ID

iPhone X iPhone

11月3日、世間の関心が高まる中でiPhone Xが発売された。

iPhone XはiPhone 5sからiPhone 6になった時のような大きな進化を遂げた。

デザインは一新し、ホームボタンやTouch IDは消え去った。その代わり、新たなロック画面の解除IDとしてFace IDが採用されている。

今回はそんなiPhone Xの良い点と悪い点を分析していこうと思う。

iPhone Xのデザイン

以前までのiPhoneもシンプル且つ独創的なデザインであり美しかったが、iPhone Xはさらに近未来的なデザインへと変貌した。

ご存知のようにiPhone Xからホームボタンは撤廃され、以前までホームボタンが配置されていた部分にはディスプレイが広がっている。また、画面上部にはノッチが搭載され、ここでも画面の領域が拡大している。

KGI証券のMing-Chi Kuo氏によるとiPhone Xのディスプレイは表面積の82%を占めているという。2017年11月現在、この値はスマートフォンの中で最も高い割合だ。

デザインに強いこだわりを持っていたスティーブジョブズが亡くなってもなお、iPhoneのデザインは進化し続ける。そのことが証明された製品となった。

iPhone Xは以前のiPhoneに比べてさらに薄くなり、ディスプレイはより明るく鮮やかになった。今までの常識から考えればこれほどのスマートフォンが日常にあることでさえ、贅沢といえる。

iPhone Xにおけるデザインの向上と壊れやすさ

背面はガラスで構成されており、デザイン性を飛躍させているが、落としてしまった時のことが心配だ。ある話では、iPhone 8に展示用の防犯器具を取り付ける際に背面ガラスが割れてしまうということがあったらしい。

このような不測の事態を避けるためにも頑丈なケースで保護することが必須だろう。

カメラはiPhone 8に搭載されている物よりもはるかに大きい。これに関しても落としてしまった場合、ケースの形状によってはカメラを保護しきれない可能性がある。

デザイン性の向上は素晴らしいことだが、それによって落下時のダメージも大きくなるのが懸念すべき点だ。

iPhone Xの諸機能

iPhone 7に引き続き、イヤホンジャックは廃止されている。Google Pixel 2/2 XLにおいてもイヤホンジャックが廃止されたことから、Appleの選択は正しかったと考えていいだろう。

iPhone Xの側面には、今まで通りスリープボタンや音量ボタン、ミュートボタンが設置されている。サイドボタンの種類に関しては以前までのiPhoneと変わりはないが、ホームボタンが消去されたことによってサイドボタンに新たな役割が加わった。

  • ボリュームアップボタンとスリーボタンを同時押し:スクリーンショット撮影
  • スリープボタンを長押し:Siriの起動
  • 両方の音量ボタンとスリープボタンを長押し:電源を切る

電源を切ることに関しては3つのボタンを同時に長押ししなければいけないため、不便に思うユーザーがいるかもしれない。

画面上部にはノッチが搭載されているがポートレートモードに設定していると徐々にディスプレイに同化していく。AppleはiPhone Xを制作するにおいて、ディスプレイを広げ、通知などを最大限邪魔にならないようにしたことが感じ取れる。だが、重要な通知もあるため、全てを取り払ってしまうと利便性を阻害する恐れがある。

iPhone Xのディスプレイ

*OLEDディスプレイとは有機ELディスプレイの一種

iPhone XはAppleが最初にOLEDディスプレイを採用したiPhoneだ。LGのOLEDディスプレイは焼き付きの問題があった。LGのディスプレイを使用したGoogle Pixel 2 XLは販売開始一週間も経たないうちに焼き付きが報告されている。Google Pixel 2の焼き付きはソフトウェアの問題ということで対処される方向にあるが、どちらにしろAppleがサムスンのOLEDディスプレイを使用していることは安心だ。

また、AppleはサムスンのOLEDディスプレイをそのまま使用しているわけではない。大本はサムスンが開発したディスプレイということに変わりはないが、Appleはそのディスプレイにさらに手を加えている。

iPhone Xの OLEDディスプレイは明るく鮮やかでシャープな色を放つ。AppleのTrue Tone システムは自動的に色温度を周囲の明るさに調節する。

写真はより広い色域で表示され、iTunesからダウンロードした映像はDolby VisionのHDRのサポートにより、輝度とダイナミックレンジが向上する。

iPhone XのOLEDディスプレイにも多少の色彩のズレはあるが、それは注意深く気にしなければ分からないほど微々たるものだ。

*LCDディスプレイとは液晶ディスプレイを指す

また、iPhone 8のLCDディスプレイと比較し場合、iPhone XのOLEDディスプレイは少し冷たい色にも感じるが、どちらが良いというわけではない。その違いはそれぞれのディスプレイの個性と言える範囲内であり、どちらかのディスプレイが一方的によく、どちらかが一方的に悪いというわけではない。

関連:AppleがiPhone Xの焼き付きを警告、焼き付きを起こさないためには

iPhone Xのソフトウェアベゼルの問題

iPhone Xに対応していないアプリはソフトウェアベゼルというモードで動作する。これ自体は仕方のないことなのかもしれないが、このモードを使用している際はディスプレイの下部にあるホームバーが白く輝くためうっとおしさを感じるかもしれない。

現段階ではマップやカレンダーなど、iPhoneに元々搭載されているアプリですらソフトウェアベゼルを使用する必要があるため、そのたびディスプレイの下部が白く発光することになる。

とはいえこの問題はアプリがiPhone Xに対応していくにつれ解決されてゆくだろう。最も、多くの人の手にiPhone Xが届くのは先のことになるので強く心配する必要は無い。

iPhone Xのノッチは有用なのか

Appleはノッチにこだわり、開発にも苦労を掛けたことだろう。しかしデザイン性は高評価だとしても実用性においては大きな意味はないのかもしれない。たしかにディスプレイの大部分を使用できることはユーザーにとって気持ちのいいことだが、ノッチが左右に分割されているため、この部分を最大限に活用するには無理がある。

iPhone Xに対応しておらず、autolayoutシステムを使用するアプリは画面いっぱいに広がる。だが、ノッチの部分に画面が食い込んでしまうアプリも確認されている。

ノッチの両端にはディスプレイが表示されているのだが、ノッチの中央部分は映像を表示することができない。そのためその中央部分に表示されるはずの映像が消えてしまうということだ。

この問題に関してもiPhone Xにアプリが対応すれば問題のないことだが、初期の間は我慢する必要があるだろう。

また、映像再生アプリの場合もノッチの中央部分が切り取られてしまうことがある。

YouTubeはフルスクリーン再生にした場合にノッチの中央部分が切り取られたまま再生される。Netflixの場合にはノッチ中央の部分が切り取られるか、ノッチとの境に黒い枠線が表示されるかのどちらかになる。Instagramのストーリーズの再生ではノッチは使用されず、灰色の枠線が浮かびあがる。Instagramはまだいいとしても、映像を見ることが主目的となっているYouTubeやNetflixにおいてノッチが逆効果を示してしまうことは問題だ。

iPhone Xのノッチの問題は解決されるのか

ディスプレイを横にして使用した場合、ノッチの中央部分の映像が切り取られる。また、画面下部にあるステータスバーは画面の上部に配置されることが多い。(アプリによって異なる)人によってはこの問題に嫌悪を示すだろう。今後のiOSの更新によって改善されるのを待つ他ない。

だが、未だにiPhone 6の画面サイズに適応されていないアプリが存在していたり、3DTouchを有効に応用させたアプリが開発されていないという事例がある。iOS10に至っては、タブを削除しホーム画面に戻る際に発生していたバグが1年間修正されることは無かった。

これらの点に関しては、スティーブジョブズが存在していたら改善されていたのではないだろうか。

iPhone Xのカメラ

iPhone Xのカメラの大部分はiphone8のカメラと似ている。外カメラは望遠レンズと広角レンズにより視覚の安定化を図っており、内カメラではTrueDepthシステムによってセルフィ―で肖像画を撮ることもできる。

そして内カメラ最大の特徴はAnimojiだ。Animojiは人の顔を認識すると同時に、アニーメーションと声を完全同期し録音する。例えるならばApple公式のSnowと言ったところだろう。この機能はSNSなどと相性が良く、流行すると予想される。

iPhone Xに初搭載されたFace ID

Face IDはiPhone Xの機能の中で最も人目を引いているものと言っても過言ではない。Touch IDを廃止し、ホームボタンを撤去できたのもFace IDが開発されたからだ。

Appleが「ホームボタンを無くしたのでTouch IDは無くなりました。iPhone Xでは以前のようにパスコードを手動で入力してください。」と言えるはずがない。

Face IDはノッチの中央部分に収納されている。Face IDの登場によってApple Payのユーザーが再度活気づくだろう。また、AnimojiはFace IDのセンサーによって動作する。

逆に、もしFace IDが上手く働かなくなるとApple PayやAnimojiといった機能も上手く動作しなくなる。

iPhone XのFace IDの動作

幸い、基本的にはFace IDは上手く動作するようだ。しかし、場所によって認証に失敗することがある。その場合は上手く動作する場所に移動する必要がある。

Face IDの認証システムが赤外線を使用しているという点を考慮すると、太陽光の影響を受ける場所で使用する際にうまく動作しない場合があるのではないかと考えられる。実際に、太陽光の下や蛍光灯などの光源の下ではFace IDの認証が不安定になるとTHE VERGE の編集者は述べている。

AppleはFace IDの認証失敗率が100万分の1と豪語しているが、プレゼンで認証に失敗したという事例もある。もし本当に100万分の1の認証失敗率なら問題はないが、太陽光や蛍光灯の下で認証失敗率が急激に上昇するというような場合、とても不便だ。外にいるときはFace IDの使用をためらうことになる。

逆に暗闇の中では安定して機能する。赤外線認証のため、他の光が無い方がFace IDの認証にとっては都合がいいのだろうが、私たちがFace IDを使う場面の大半には何かしらの光が存在する。根本的なFace IDの仕組みが矛盾を生じさせているように感じる。

iPhone XのFace IDの使い方

そんなFace IDだが、設定はとても簡単だ。iPhone Xのディスプレイに自分の顔が映し出され、その周りに円形の線が表示されるので、その線が全て緑色になるまで顔の周りを映すだけだ。

iPhone Xは機械学習機能を搭載しているため、髭などの顔の微妙な変化に対応することができる。逆に長かった髭をそった場合、機械学習機能が顔の変化に追いつかない可能性がある。

サングラスの場合も作動する。通常のサングラスであれば紫外線はカットするが赤外線は通過するからだ。しかし、サングラスを外した時よりもつけているときの方が多少認証率が下がる。

また、マスクは認証しない可能性が高い。欧米でマスクをつけるのは珍しいことなので、マスクに対応していないのか、技術的に難しかったのかは定かではない。

思い返してみればTouch IDの場合でも毎回手袋を外す必要があった。

このような制約があると折角の最新技術を使いこなせていないように感じてしまうが、技術的に制約が課されてしまうのなら仕方がない。

Face IDが最もよく作動する画面と顔との距離は25~50cmだとアップルが発表している。これは適切な設定だろう。普段は画面と顔の距離が近い人もいるかもしれないが、25~50cmという距離はあくまでも顔を認証するときやAnimojiを使用する時の適正距離なので問題ない。

大抵の場合、Face IDはTouch IDに置き換わる実用性を備えているが、完璧ではない。それはFace IDが赤外線を使用しているという根本的な矛盾を抱えているからだ。たしかにAppleが発表した「Face IDの認証失敗率は100万分の1」という情報は間違っていないと思うが、それがどのような環境で実施されたかまでは分からない。炎天下の日差しの中でFace IDの認証実験を行えば少なくとも失敗率は100万分の1よりは増加するだろう。

iPhone XにおけるiOS11の動作

iOS11がiPhone Xで動作する場合にはホームボタンの代わりとなるジェスチャが機能する。

  • ホーム画面に戻る:下からスワイプ
  • コントロールセンターを開く:右から下にスワイプ
  • 通知センターを開く:左から下にスワイプ

コントロールセンターのボタンをタッチすれば、iPhone7のホームボタンに搭載されたような振動が本当のボタンのように錯覚させてくれる。また、3D Touchにも役割が与えられ、有効に活用されている。

iPhone Xまとめ

iPhone Xが実際にどのような製品として評価されるかは多くの人の手に渡り、ある程度の期間使用されるまでは分からない。

ただ、スティーブジョブズがいた時のような安心感が持てない。Face IDとノッチは完璧ではない状態で世の中に出されてしまったのではないだろうかとの懸念がある。

Face IDについては赤外線が飛び交う世の中で赤外線を使用した認証機能が有効に働くのかという懸念だ。太陽や蛍光灯から放たれる赤外線が干渉し、うまく認証できないという事実は確認されている。

ノッチにについては、画面の淵が不規則な形になっていることによってディスプレイに表示されない部分があるという懸念だ。

もちろん次第にアプリがiPhone Xに対応してくれば解決される問題ではある。だが、いくら画面を大きく使えるからと言ってノッチ中央部分がディスプレイとして機能できないのであれば結局はノッチの両端を有効活用することは難しくなるのではないだろうか。

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